練馬区役所展望ロビーの展望説明板の山名注記の問題
2014年12月
展望ロビーの概要はこちら
東京都の区役所の展望スペースとしては、ベスト3の1つである(他は、文京区と江戸川区)。
展望説明は写真に山名注記を入れている。大きく4方面に分かれている(東西南北)。
2014年12月5日取材
12月15日追加取材
▼西側
富士山についてのパネルがある。
補正した図
丹沢、富士山方面
富士山が「南」となっているのに驚く。
富士山の方位角は244°で「南西」である。東西南北の4つでの表示しかしていないが、その場合はやはり真南(180°)の位置に文字をおくべきだろう。
山名はやはり少ない。
丹沢山塊としてあるのは、蛭ヶ岳である。最高峰であり、間違いではないが、総称の示し方としては疑問が残る(多摩丘陵も同様である)。
高尾山は人気の山なので注記をしたい気持ちはわかるが、実際にピークを指摘するのは困難である。

尚、ここからの距離を示しているのが特徴である(評価できる)。

奥多摩方面(概要)
大岳山、武甲山、浅間山の3山。いずれも間違っている。大岳山は許容の範囲だが、武甲山はとんでもない間違い。これは笠山である。浅間山はあまり見る機会のない山であるが、「武甲山」のすぐ左の鞍部に覗く。つまり笠山と堂平山の鞍部に頭を出す。「浅間山」はどこを指しているのかわからない。いずれにせよ写真には写っていない。信じられない間違いである。
なお、西は309°のあたりに描いてある。北西の方向である。
大岳山拡大
カシミール3DによるCG
指示線は、御前山を指している。大岳山の方が手前になるのだが、ここからはほぼ重なるようになるので、許容できるミスではある。

「武甲山」
カシミール3DによるCG
CGで分かるように、「武甲山」の注記(ここでは線のみ)は笠山である。
改めてその写真を見ると、鞍部に白いものが見えないだろうか。それが浅間山である!
12月15日撮影 間違いなく浅間山である。

展望説明板の「浅間山」
指示線が浅間山でないことはもう明らかだが、念のためCGで見てみよう。浅間山の指示線が指しているのは空である(^_^;)。撮影時に白い山が見えたのだろうか。浅間隠山が近くにあるのは皮肉である。
12月15日13時55分撮影。この時刻によく見えたものだが、CG通り浅間隠山が尖った形を見せている。

武甲山はどこに?!
奥多摩方面(概要)再掲
対応するCGと比較するとお分かりだろう。手前の高層ビルにより隠されてしまっている。だからかどうかわからないが、似ていると言えなくもない笠山を武甲山にしてしまったのだろうか。堂平山に該当するのが大持山ということになる。
武甲山は、北側の展望室からだと、ギリギリ山頂部を見ることができる。笠山より鋭角的である。

▼南側
こちらは「南」が正しく描いてある。富士山の右が「西」になっている。
山は丹沢方面で、上と同じなので、説明は省略する。

▼北側
北側は、何と3枚説明板が用意してある。いずれもその位置から撮影したものである。律儀である。
しかし、内容はこちらも突っ込みどころ満載である。
概要
拡大
武甲山、浅間山の間違いは、西側と同じである。榛名山は、折角なので、個々のピークをCGで描いておこう。指示線は、相馬山に向かっている。
12月15日13時57分撮影 午後なのにしっかり見ることができた。

北面の問題点
12月15日13時58分撮影 
武尊山は明瞭でない。
カシミール3DによるCGとの比較をご覧いただきたい。
明らかな間違いは、日光白根山。その位置には該当する山はない。
至仏・武尊・尾瀬方面という括りも不思議である。
至仏、武尊はピンポイントで指示できる山である。それに対して尾瀬は広がりを持っている。性質の違う名称を一括して表現するというのは問題である(しかも136.0qという距離表示をしている。これはどこを指しているのだろうか。調べてみると、最初に名前のある至仏山であった。ちなみに武尊山は128q、尾瀬の燧ヶ岳は139qだった)。

武尊は写真には写っていないが、赤城山の右側にはっきりわかる形でそびえている。括る必要はない。この表現では誤りになる。
一方至仏山は見えることは見えるが、山頂がごく僅か覗くだけで、肉眼での視認は非常に難しいだろう。この山を入れるのは不適切である。

ところで、写真を見て気になる点がある。男体山の白さである。積雪時でも放射谷があるため、筋が見えるのだが、この写真は全面雪に覆われている。不自然なほどである。更にいえば、その形である。山頂部が平坦でピークは左端にあるようだ。10mメッシュで作成したCGと比較すると違いが気になる。さらに右側にくるはずの大真名子山が写っていない。標高は100mは低いがこんなに差がつくものだろうか。まさか、画像ソフトを使った操作は行われていないと思うが、そのような懸念を防ぐためにも、どこかに撮影日時を記載して欲しいと思う(見落としていればご容赦願いたい)。
男体山方面
カシミール3DによるCG
まさか、とは思うが・・・。この位置からは中央部に最高峰がくるのだが。
12月15日13時56分撮影
展望説明板の写真とは白さが異なる。山稜の形状も写真とは違い、CG通りである。
▼東側
都心部で、山はないので、省略。
あまり訪れる機会のない私でさせ、12月15日のような写真を撮ることができるのである。区役所の担当者ならば、もっと条件の良い時に撮影できるわけだから、明瞭な写真をもとに、カシミール3Dなどを使い、正確な山座同定をして欲しい。
ここは子ども達も学習の一環として訪れる場所である(12月5日にも遭遇)。細かい山座同定を学習することはないとは思うが、このままでは教育上も大きな問題である。
早急に訂正されることを要望したい。
田代博のホームページ