グリーンタワー相模原の展望図について
2019年5月5日
2019年5月
相模原麻溝公園にグリーンタワー相模原という展望塔があります(概要は、こちらこちら参照)。
エレベーターで地上高38mの展望台に上がります。大展望が広がります。眼下には広大な広場です。
東西南北各方向に展望板が設置してあります。写真に引出線方式で山名注記を入れたものです。注記量は多くはありませんが、英語が併記してあります。
地元の名称が基本ですが、山名もそれなりには記載してあります。
●問題点:丹沢方面
 何と言っても、写真があまり明瞭ではありません。午後3時過ぎに私が撮影した写真の方が良いほどです。
 私が作成した展望図(上・実写にカシミール3Dの地名を加えたもの)と丹沢方面の図(下)を比較してみましょう。
 
 (展望図の中央の太い線は、柱の影が写ったものです)。
 記載してある山名の位置、名称には大きな問題はありません。ただ、丹沢山方面として引出線をつけることなく、上に記載してあるのはいただけません。不動ノ峰のすぐ左側の丸いピークが丹沢山です。不動ノ峰よりはるかに知名度の高いピークです。何故このような記載の仕方にしたのか疑問です。
丹沢方面として総称を記したかったのでしょうか。それなら、丹沢山ではなく丹沢とすべきですし、標高を書く必要はありません。このままでは、丹沢山の位置を正確には示せないが、だいたいの方向を示すものである、ということになってしまいます。
 しかし、そうではありません。丹沢山は明瞭に示せるわけですから、この表現は不適当と言わざるをえません。
 自作の展望図の注記量は多すぎますが、これを参考に選択し、もう少し加筆していただきたいと思います。
●問題点:高尾山方面
 あまりに有名だからか、山体を指摘するのは極めて困難であるに関わらず、しばしば注記があるのが、高尾山です。ここにも図のように記されています。
 小倉山、城山(津久井城山)ははっきりわかるし、大岳山も独特のピークで目標になる山です。図は明瞭ではありませんが、一応ピークになっていることがわかります。しかし、高尾山はどうでしょうか。引出線の下に小さな高まりがありますが、それが高尾山なのでしょうか。自作の展望図と比較すると、それは景信山ということがわかります。高尾山はその僅か左になります。この図は引出線がそのピークには当たっておらず、若干の空白があります。従って、図の引出線が全くの誤りというわけではありません。高尾山「方面」としてあれば、許容の範囲だったでしょう。
 ただ、写真からは識別が困難な山名をあえて記載することが適切であるのかどうか、疑問の残るところです。
 当日撮った写真をトリミングして拡大してみました。
 自作展望図と比較しながら、城山(小仏城山)、高尾山、景信山がどれかお確かめください。小さな高まりが景信山で、その左に高尾山がくることがおわかりでしょう(いかにも杉の木立に覆われている感じがします)。
●問題点:富士山が見えないことの注意書き
 相模原市は富士山が見える地域が僅かしかありません。図は「富士山ココ」で相模原市付近の富士山可視エリアを表示したものです。グリーンタワー相模原は黒丸の位置なので、残念ながら見えません。
 展望図にはそのことが記されています。地元の方は富士山が見えないことはご存じでしょうが、もしかして展望塔からなら見えるかもしれないと思われている方があるかもしれません。ましてや他地域からの来訪者ならなおさらです。親切な対応と言えるでしょう。
 表記は「大山の裏手方向に富士山があります」となっています
 ところがこの表記は大いに問題なのです。「大山の裏手方向」ということは、大山が富士山を隠している、と理解するのが普通でしょう。実はそうではないのです。カシミール3DによるCGをご覧ください。富士山が見える段階で描画をやめた図と重ねたものです。これによりどこに富士山があるかがわかるのです。大山ではなく、かなり右側の丹沢山「方面」が隠してしまうのです。
 どっちみち見えないのだからいいじゃないかという声が聞こえてきそうですが、信頼性を高めるには一見どうでもよいような細部に拘ることが大切です。具体的な山名を挙げている以上、間違ってはいけません。
 全体として好ましい施設です。展望図の近くには椅子も用意されており、利用者への配慮もなされています。
 この展望図がいつ作成されたのかは記してありませんが、開設は1992年ですから、それなりに年月が経っています。
 クリアに見える時に写真を撮り直し、作り直されることを期待します。
 なお、この内容は「地図中心」誌で連載している「田代博の展望図採点紀行」に掲載する予定です。
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