北陸新幹線(長野〜金沢)から槍ヶ岳は見えるか? |
2015年3月9日 |
列車の旅の楽しみの一つに、車窓からの山岳景観がある。対象となる山の一番は富士山だが、北陸新幹線の場合、残念ながらそれは無理である。となると、見えた時に声が上がる2番目の山である槍ヶ岳が気になるところだ。 3月14日以降、報告がなされると思うが、事前にシミュレーションを行ってみた。 使用するソフトはもちろんカシミール3Dである。 |
●前段の作業 路線図をカシミール3D上に示す |
カシミール3Dは、地理院地図を表示できる。従って、地理院地図に路線が示されれば、「新規作成」−「ルート作成」の機能を使い、路線をトレースして、カシミール3Dの地図上に表示することができる(GPSファイルとして保存される)。 しかし、作業をした3月9日の段階では、地理院地図には示されていないので(ごく一部表示されている所もある)、ビットマップファイルの読み込み機能を利用した。具体的には次のような手順となる。 |
路線図が示されている画像を探し、ビットマップファイルとして保存する(こちらのサイトの2枚の地図を使用した)。 |
[ファイル]-[開く]-[地図]-[BMP地図]を選択して、作成したビットマップファイルを読み込む。 その画像に位置情報を付加する(ここがポイント)。 画像を表示させた後で、[編集]-[地図のキャリブレーション]メニューを開く。 [指定開始]を押して、地図上の2点以上の緯度経度がわかっている点を指定して、それぞれの緯度経度を入力して実行する。 |
(ヘルプの1地形・地図データ を参照すればわかる。この記述もそれを元にしている)。 |
2点以上の経緯度はあらかじめカシミール3Dで地名を右クリックし、地名のプロパテイを開き、緯度・経度を控えておく。 |
こうして任意の画像がカシミール3D上に乗るので、後は、上で書いたようにトレースすればルートをGPSファイルとして作成できる。 |
できあがったら、その画像を閉じて、本来のカシミール3D用の地図を開く。 そうすれば、その上にルートが示される。 |
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●可視マップ |
後は可視マップを作成するだけ。路線が入るように範囲を指定して、カシミール3Dに任せればよい。 結果は次のようになる。 |
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地図が小さいので、はっきりしないと思うが、見えるのは3地域だけである。ピンクが可視エリアである。 |
A 長野駅周辺 B 石動駅付近 C森本駅付近 |
それぞれの場所でカシミール3D(カシバード)によるCGを作成した。 |
●槍ヶ岳のCGなど |
A 長野駅周辺 |
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このように明瞭に見えるが、実は見える方向が問題である。下の図をご覧いただきたい。進行方向に一致しているのである。ということは、普通の客席からは見ることはできない! |
ちなみに、長野駅からの実写についてはこちらを参照。 |
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B 石動駅周辺 |
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可視マップでは表示されるのだが、CGを描いてみると、黒部五郎岳の右側稜線にかろうじて見えるようだ。可視マップでは、計算上見えていれば、文字の注記が示されることになっている。実際に視認できるかどうかは保証の限りではない。 |
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C 森本駅付近 |
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可視エリアは一番狭いのに、明瞭に見える。しかお、金沢に向かい進行左側である。金沢駅まで5qなので減速しているだろうから、ここが見える可能性が一番高いのではないだろうか(森下側の上流方向)。 プレミアム槍ヶ岳とでも名付けたいところである。 |
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あくまでもミュレーションであるので、その点、ご了解願いたい。 それにしてもカシミール3Dの素晴らしさに改めて感心している。 |
参考1 金沢市から見える槍ヶ岳について |
小編著『続・展望の山旅』(1990年)の小文より |
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注)カシミール3Dはまだ無かった時代である。 |
参考2 森本駅からのダイヤモンド槍ヶ岳 |
2015年2月11日 6時58分 |
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2015年11月1碑 6時27分 |
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ともに、昇るダイヤモンドです。 |
●田代博のホームページ |
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