地図の話題 2016年1月31日
ファイル083 室蘭地球岬の世界地図の疑問
室蘭市にある地球岬の展望台
地球儀がしっかり意識されています。
展望台の「床」には世界地図が描かれています。
手前の案内板の一部です。「世界地図をあしらった展望台」というのがこれですね。
この展望台のフェンスに設置されている説明板です。赤線は引用者。
「地球の100万分の1の大きさ(直径12.8m)」は実はよくわからない表現ですね。
地球の100万分の1とは? 地球半径は6370qです。その100万分の1は6.37m。
2倍すれば約12.8mになります。説明板の値です。
その値が広場の直径になっているのですが、それで、この広場が地球の100万分の1の大きさと
言えるのでしょうか? 地球との大きさの比較が可能なのは地球儀です。平面にしている地図と、
地球の大きさをダイレクトに比較することはできません。
言葉を補わないと、「地球の100万分の1の大きさ」とは言えないのではないでしょうか。

もう一つの赤線の、「室蘭を中心にしたユニークな世界地図」にも大きな問題があります。
 真上から見ることができないので、見にくいのですが、室蘭と「E」(東)を結ぶと、
その線は北米大陸に達しています。室蘭の真東は北米大陸でしょうか。
地図ソフト「ジオスタジオ」により作成した室蘭中心の正距方位図法の世界地図です。
真東は南米の南部になるのです。北米は北東に近い方向です。
ではその地図は何図法をもとにしたのでしょうか。
東が北米ということですぐに思い浮かぶのは円筒図法の系統、例えばミラー図法です。
しかし、これだと少し、北によりすぎているように思います。
そもそも世界を丸くしているのですから。そうすると方位図法(平面図法)か。
室蘭中心なら、当然室蘭中心の正距方位図法にするべきですが、もしそうなら上に示した
ように、東は南米に向かうはずです。そうなっていなくて、しかも世界が円形になる・・・。
下の図は、正軸の正距方位図法です。南米が膨らみすぎていますが、室蘭から右に伸ばした方向は
北米の南部に達します。似ていますね。但し、この線の、方位としての意味はないのですが。
いずれにせよ、この地図に描かれている方位は正しくありません。
どのような図法をもとに、この地図が描かれたのか、知りたいところです。
世界地図を積極的に使おうとする意図は高く評価するものですが、
地図学の知見に測した正確な内容にして欲しかったと思います。
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