地図の話題      2013年3月25日  2014年8月12日三訂
ファイル076     図式の変遷 
2008年11月に掲載したものを、こちらに統合(一部訂正)
図式の変遷
『地図のことがわかる事典』(2000年発行)に加筆
「日本で一番古いのは「明治一三年式図式」と言われ、それ以降一〇数種類の図式が作られてきた。その幾つかを、編集発行日本地図センター『地図記号のうつりかわり』などからご紹介しよう」。
2008年11月
明治13年式
日本で最初の図式。二万分一迅速測図と五千分一東京図の原図図式として使用。軍事用に作成された地図だったが、色彩は豊かで「フランス式」などとも呼ばれた(印刷複製時には1〜3色)。
明治33年式
それまであった各種地形図図式を整理したもの。地図記号が約300になり、歴代の地図図式の中では一番多い。税務署、発電所などはこの図式で新設された。要塞司令部という記号もあった。
大正6年式
大正6年に制定され、年輩の人には、「大六式」(たいろくしき)の略称で親しまれた、もっとも長く使われた図式である。戦後も、軍事施設記号を削除して1955(昭和30)年まで使用された。「5万分1地形図による国土全域の測量の完成の時期に誕生し、・・・戦後の経済成長の黎明期にその使命を終えた本図式は、わが国の地図事業の一頂点を示すものとして、その意義は大きい」と高く評価されている(国土地理院編『地形図集』日本地図センター1984年)。
大正6年(大正14年加除)式 (追記)
昭和30年式
大正六年式を改訂した、非軍事用の図式としては明治以降初めてのものであった。また地図の世界でも多色化が進んできたことに対応するものだった(黒一色から3色になった)。今まで横書きの文字は右書きだったが、この図式か左書きに変わった。5万分1地形図に適用されたが、2万5千分1地形図にもほぼ同じように使われた。
(これ以前の投影法は、多面体図法)
昭和30年(昭和35年加除訂正)式 (追記)
(1960年よりUTM図法になったと言われるが、それはこの図式によるものか)←2008年11月8日記載(未確認)
特定図式
米国陸軍極東地図局と地理調査所(現在の国土地理院)の協定で1960から64年の5年間に作られた五万分の一地形図。1km方眼が表示されており、日米両国での使用のために地名にはヘボン式のローマ字が併記された。全建設省労働組合地理支部編『地図をつくる』(大月書店)では、「特殊な日本の軍用地図」という評価をしている。
昭和40年式 (2万5千分1)
1964年からの第二次基本測量長期計画によって、2万5000分の1地形図が全国をカバーする基本的地図となったことを受けて1965(昭和40)年に制定された。色を3色におさえてあるので、地図の上に書き込みがしやすくなっている。5万分の1地形図は読図を容易にするために4色刷。
昭和40(昭和44年加除訂正) (追記)
昭和61年式 (2万5千分1)
昭和40年式が制定され以降20年経ち、国土の様子、地図をめぐる状況も変化したので、新たに制定された2万5000分の1地形図の図式。その後も部分的に何回か改訂されている。
平成14年式 (2万5千分1)
大きな特徴は体裁(図郭)が変更されたこと。日本測地系から世界測地系への移行(平成14年)を受けて、隣接図との間に空白が生じないように、重複部分を設けた。それにより、整飾の変更や到達注記、隣接図名の廃止など見た目が大きく変わった。柾判という判型に変更はないので、周辺の余白部が少なくなった。「維持管理作業の原データがラスタデータからベクトルデータへ移行し、今後は、紙の地形図とGISデータの双方が、一つの原データから、コンピュータ処理により作成されること」など作成方法においても大きくデジタル化が進むことになる。
平成21年式 (2万5千分1)
公刊されていない。日本測量協会のサイトには、「平成21年 2万5千分1地形図図式が制定されました。(販売の予定はありません)」とある。国土地理院時報118号「電子国土基本図(地図情報)を基にした地形図の作成」には詳しい説明があり、また国土地図株式会社のサイトには次のような記述があるので(太字は引用者)、何らかの方法で見ることはできるのだろうが。「同じ山名でも字の大きさが違っていることにお気づきでしょうか。平成21年2万5千分1地形図図式では3000m以上の山は4mm、1000m以上は3.25mm、1000m未満の山は2.75mmの3通りに分けられています。川は流域の長さと川幅で1.5mm〜3.5mmまで、0.5mm間隔で5通り、湖も面積により5通り、集落は6通りの大きさで表示されています。」 何とか見てみたいものである。
平成25年式 (2万5千分1)  正式名称「平成25年2万5千分1地形図図式(表示基準)
3色から多色刷に。電子地形図25000をもとにした編集図(今までは実測図だった)。半世紀ぶりの改訂と言われる大きな変更。半世紀ぶりという時の、もとになっているのは、昭和40年式である。その後何回か改訂されているのだが、マイナーチェンジであり、昭和40年式がそれほど影響力が大きかったということだろう。地形図は次のように定義されている。
「第2 条 この図式において「2 万5 千分1地形図」とは、電子国土基本図を用いて、地表面の状況を縮尺1/25000で表現した印刷機により印刷した地図をいい、国土の利用・開発・保全、地域政策、教育、レクリエーション等、広範な利用に供することを目的とする。 」
表紙