地図の話題 2012年2月27日  地図の話題に統合
ファイル070
電子国土基本図では同一縮尺で国土を表現できない
2012年2月
 まずは以下の図をご覧ください。
 縮尺1/4500とした時の宗谷岬(北を代表)と西崎(南を代表)の図です(電子国土利用)。
 距離尺からわかるように、明らかに長さ(縮尺)が違います。距離尺の比較もしておきました。
(宗谷岬) (西崎) (距離尺の比較)
 これは上で書いたように、縮尺約1/4500で描いたものです。「約」にご注意ください。
 今までの紙地図でこういう表現はあったでしょうか。2万5千分の1地形図は2万5千分の1だったでしょうか。5万分の1地形図は5万分の1地形図でしょうか。「約」は半端な数字を丸める時に使うのが普通です。例えば2万4998分1を2万5千と表現することはあるでしょう。但し、この電子国土基本図の縮尺の「約」は必ずしもそういうことではないようです。一つには決められず場所により異なり、1/4500 プラスマイナスα なんですよ、という意味なのでしょう。
 別な例で示しましょう。「山の展望と地図のフォーラム」の中村健さんが作成された図です(電子国土基本図を利用。縮尺約1/4500。加筆)。
 北海道の弁天島は沖縄の石垣島の北にある大地離より小さいのですが、図のように大きく表現されてしまうのです。
 同一縮尺で国土が表現されない基本図というのは大きな問題ではないでしょうか。
 3月に発行される「地図情報」誌に次のように書きました。
 電子国土基本図の投影法はメルカトル図法なので、同一縮尺と設定した上で、実際には場所によってこのような違いが生じるのは一応理解はできます。グーグルマップを含め、インターネットで提供される地図の特徴でしょう。
 ただ、今までの紙地図は、縮尺通りの大きさで全国土を表していました。今回はそれができないわけであす。今まで沖縄の地形図は、柾判目一杯に記載されていたのに対し、北海道は左右に空きがかなりありました。それではもったいないと、判一杯に拡大して表現したようなものです。例えば、縮尺を固定して、全国を同一縮尺でスクロール表示できるようなオプションをつけられないものでしょうか。
 デジタルマップになり、縮尺の概念についても再検討が必要ですが、厳密な意味で同一縮尺で日本全国を見ることができないというのは問題ではないかと思います。
(太字のたとえは間違いないでしょうか。おかしければご指摘ください
参考
上記弁天島と大地離の位置 (電子国土基本図使用)
■投影法関連
 UTM図法(ジオスタジオによる) 経緯線は1度間隔
 メルカトル図法(ジオスタジオによる)
 電子国土基本図(カシミール3Dにより表示。経緯線が表現できる)。電子国土基本図が、メルカトル図法(正軸)によるものであることがわかる。
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