電子地形図25000 使用報告(速報)
2012年8月
「電子地形図25000」がいよいよ8月30日から提供されるようになりました。
これは、インターネットを経由して提供される地形図の画像データです(パソコンソフトを使って加工・表示する数値データではありません)。
見た目は、今までの2万5千分の1地形図と非常に似ています
同様なものに「数値地図25000(地図画像)」というのがあります。両者の違いについては、日本地図センターが大変わかりやすい説明をしていますので、こちら をご覧ください。また、「数値地図25000(地図画像)」そのものについての説明はこちらをどうぞ。以前はCD−ROMでの提供だったのですが(1枚7500円)、2008年から2万5千分の1地形図の一区画ごとの提供になっています。あまり話題にならなかったと思いますが、電子地形図25000と競合する商品と思います。等高線なども自由に色を変えることができます。こちらの画像参照。

購入はこちらの、「商品一覧 購入へ」のアイコンから。購入方法については、電子地形図25000購入方法チュートリアルに詳しい説明が出ています。ご一読ください。
●電子国土基本図の特徴
1.範囲、サイズや表現方法を自分で選べる。
 色々特徴がありますが、何と言っても一番大きいのは、自分で範囲やサイズ、地図項目などを選べるということです。
 今までの2万5千分の1地形図は、経度差7分30秒、緯度差5分で機械的に切っていました(切図といいます)。有名な例は京都です。市街地を見るには4枚の地図が必要でした(図参照)。それが今度は1枚で済みます。
(旧ウォッちず使用)
 地理院は、釧路を例に説明しています。こちら参照。
(1)サイズはA2、A3、A4の3種類。
 それぞれを縦位置か横位置の選択できます。価格はいずれも同じで170円です(紙の2万5千分1地形図は270円)。家庭用のプリンタは普通はA4サイズが最大なので、A3やA2の場合は、「分割印刷」をして貼り合わせる必要があります(色々方法があるようです。「分割印刷」で検索してご自分の環境にふさわしいものをお選びください。私が試してみた方法を こちら に書きました)。
 紙の地形図のサイズと比べると、A2がほぼ同じ、A3が面積でほぼ半分、A4が面積でほぼ1/4になります。 
 コストパフォーマンスで言えば当然A2ですが、とりあえず試してみたい、すぐに印刷してみたい、と思う方はA4が良いでしょう(A3のプリンタが使えたり、分割印刷がすぐできる方はもちろんA3やA2をどうぞ)。
(2)等高線の色や鉄道その他地図項目が選べる。
 これまた大きな特徴です。国土地理院発行の地形図というと、選びようのない出来合のものでした(そのために表現を工夫しみやすくするための苦労が重ねられてきたのですが)。それが今回、幾つかの項目で選べるのです。
 メニュー画面の下を掲載します。
@基本設定
<1>サイズと向き 先に述べたA2〜A4と縦か横かです。
<2>解像度も通常印刷用の300dpiと高精度印刷用の508dpiから選べます。A4の普通紙にプリントした限りでは、目に見える差はありませんでした。
<3>画像タイプ 出力形式をPDF、JPG、TIFFの3つから選ぶことができるのも特徴です。紙への印刷・閲覧を主に考えるならPDF、データの編集、GISソフト等への取り込んで使うならTIFF、サイズが小さくウェブ上で使いたいならJPGでしょうか。ただ、JPGは編集・保存を繰り返していくと画像が劣化するため、オリジナルデータとして保存して手元に保存しておくには、TIFFがお薦めかもしれません。
A表示色・記号の選択
<1>等高線が計曲線、主曲線をそれぞれ4色から選ぶことができます。
褐色、こげ茶、緑系統、ピンク系統です。等高線は茶色に決まっているじゃないかと思われる方にはこれが一番のショックかもしれません(いや、地形図は黒一色だった、とおっしゃる方もおられるでしょうが)。それぞれのサンプルは下に示します。
<2>鉄道記号は、旗竿記号か黒い線か、の選択です。
<3>他に高速道路や国道番号も色や形を選択できます。
B表示項目の選択
送電線、発電所、電波塔、記念碑、植生界、樹木に囲まれた居住地、崖部の計曲 線、崖部の主曲線について、表示させるか、させないかの選択ができます。
崖部以外は、電子国土基本図で一旦表示されないことになり、批判が巻き起こり、復活したものです。崖部については、等高線が崖記号によっても切れないで全部表示すべきだという意見に対応したものでしょう。
●印刷はどうか
 とりあえずA4を印刷してみました。2万5千分の縮尺通りになるでしょうか。解凍してすぐに印刷をするか、一旦保存して画像ソフトで印刷をするかにより微妙に違うようです。画像の形式による違いもあるように思います。PDFだと縮尺の通りに印刷できるそうですが、私の場合、1割程度の違いが出ました。距離尺が印刷されるので大丈夫ではありますが、正確に縮尺通りに印刷されるとは限らないことを念頭においておく必要があります。
 プリンタの設定・確認を十分に行わなければなりません。

 従来の紙地図は専用紙であり、それを三角点のすかしで示していました。電子地形図25000は各自で印刷するので、紙の精度や耐久性が気になる方もあるでしょう。特に山に持参する場合が問題です。
 耐久性の点では普通のコピー用紙では劣るとは思いますが、何枚か印刷して持参すれば良いのです。書き込みなども気軽にできるでしょう。地図が消耗品扱いされるのは好きではありませんが、実態としてはそうならざるを得ません。元データは手元にあるのですから、必要に応じて印刷すればよいのです。紙地図はくたびれてきたら買い換えようかとなりますが、こちらはまた印刷すればよい、ということで、買い換えということが無くなってしまい、営業的には困るのではないでしょうか(私が心配することではありませんが(^_^;))。

 上にも書きましたが、A2をA4にうまく分割印刷できました。もう一度ご紹介します。こちら です。
●電子地形図25000の選び方と課題(要望)
(1)選び方(注文の仕方)(上のチュートリアル参照)。
 範囲指定は、地図の上で中心位置を指定する方法で行います。電子国土ウェブの背景図が示されそこに十字を合わせます。当然A2〜A4のどのサイズかによって範囲が違ってきます。それをプレビュー画像で確認します。クリックすれば拡大するので、おおよその見当はつきます。ダメならもう一度中心を変更します。プレビュー画像を作成しないと、購入することができません。
(メニュー画面 プレビューは表示していません)
(2)課題(要望)
 自分で範囲を選ぶことができるというのが電子地形図25000の非常に大きな特徴です。それを生かすために要望を出します。
@長方形(A2〜A4の形)による、面での範囲選択ができないか。
図の赤い線が面での選択を示しています。このような形が出てきてそれを動かして範囲を決めることができれば直感的に分かりやすいと思います。そうすればプレビュー画面も必要なくなります(あっても悪くはありませんが)。この枠は当然ながら、「サイズと向き」に連動しています。
A2万5千分の1地形図の図郭線があるとよい。
 自分の選んだ図取りが、2万5千分の1地形図の図郭のどこに該当するのか知りたいという要望に答えるため、また、複数の図郭にまたがってお買い得だということを示すためにも、図郭線だけでも表示できないでしょうか。クリックすれば図名が表示されるというオプションも可能でしょう。

●等高線の色による違い
 緑やピンクにはびっくりしましたが、記入しやすいように、地形図を赤でカラーコピーするという人もいるので、ピンクの需要もあると判断したのでしょうか。計曲線と主曲線を分けているのも芸が細かいところです。
実際にどうなるのか見てみましょう(距離尺でおわかりのように2万5千分の1より拡大されています)。
(1)褐色(計曲線、主曲線とも)



(2)こげ茶(計曲線、主曲線とも)



(3)緑系統(計曲線、主曲線とも)



(4)ピンク系統(計曲線、主曲線とも)
 褐色とこげ茶に大きな差はないようです。 
 特徴的なのは、緑系統、ピンク系統の場合、計曲線と主曲線の区別が付きにくいということです。線の太さは同じはずなのに、どうしてこうい違いが出てくるのでしょうか、疑問です。


(5)一番見やすい色の選択は? 
 私なりに一番見やすいと思ったのは、計曲線をこげ茶、主曲線を褐色にするものです。メリハリがはっきりつき、等高線の読み取りが行いやすいと思います。

●崖部の等高線表現
 上に記したように、崖部の計曲線、崖部の主曲線について、表示させるか、させないかの選択ができます。私は逆に、崖部自体を表示させるか、させないか、の選択が欲しいと思います。つまり、等高線の「全数表示」が欲しいからです。
 現時点でそれを行う「裏技」があります。
 計曲線、主曲線を緑系統にし、崖部の計曲線、崖部の主曲線をともに表示するにするのです。崖部は常に褐色で表示されており変化しません。その上に緑がかかると、緑の方が強くて、崖記号に邪魔されることなく、等高線をたどることができます。上記の(3)緑系統 がそれです。以下には駒ヶ岳の例を示しておきましょう(縮尺は拡大してあります)。
こちらは崖部の計曲線、主曲線をともに表示させいない場合です。あえて縮尺を違えていますが、違いのイメージをつかんでいただけるものと思います。
やはり同縮尺のも載せておきます(^_^;)(元はpdfをjpgに変換)
 まあ見えることは見えますが、発想を逆にして、崖記号をオプションにして表示するかしないかという選択肢も欲しいですね。

●注意点
(1)注文時にタイトルを忘れないこと。沢山注文した場合、後でわからなくなってしまうことがあります。
その他
(1)最初の注文が14時58分 データが届いたのが15時04分でした。
(2)データと一緒に「電子地形図25000凡例」も入っています。2万5千分の1地形図の地図記号とほとん ど同じです。
(3)紙面(画面)下に表示される数字を説明します。
142.85:中心の経度 43.66:中心の緯度(43.66度です)。A2:A2サイズ y:横(縦の場合はt) 20120830:画像作成年月日 2012年8月30日 150503:画像作成時刻15時5分分3秒 0000:「ファイル名全体を刊行データIDとして扱うことから、重複したファイル名が生成されないようにするため」の数値だそうです。:ワールド座標の有無で、1はあり、0はなしだそうです。
 データが届いたのが、作成時刻より早いというは不思議(^_^;)。
(4)今後、電子国土ウェブも改訂されていく予定ですが、それとの関係はどうなるのでしょうか。電子地形図25000を最優先に更新して、それが電子国土ウェブに反映されるのか、逆か、それとも両者同時進行なのか、そもそも紙の2万5千分1地形図はこれによっていよいよ先細りになるのか、地形図トータルの今後がどうなるのか、引き続き関心を持ってみていきたいと思います。
※急いで作ったので、タイプミスを含めおかしな点があるかもしれません。ご指摘ください
 私は山に興味があるので市街地はまだ十分見ていません。機会があれば、市街地についてはも報告したいと思います。
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