サンソン図法は正距図法でない
2020年1月
 正積図法の代表例のサンソン図法は、緯線が実長であることが特徴です。全ての緯線の長さが縮尺通りになっているのです。他の図法にはないこの図法だけの特徴です。
 従ってこの図法を正距図法でもあるとする見方があります。文科省検定済教科書である地図帳にもそう書かれていた例があります(実は私もそう考えていた時期があります)。
 しかし、それは正しくありません。緯線上の長さは、赤道を除き、最短経路(大圏コース)=距離ではないからです。念のため正距図法の定義を確認しておきましょう。
「特定の1点あるいは2点からすべての地点への距離が地図上でも正しく表される図法」(政春『地図投影法』)
 サンソン図法(正軸)の場合、緯線が直線で表現されるので、その線を最短経路と考えてしまいがちですが、そうではないのです。
 下は北緯20度の2点を結んだ線です。A点(東経60度)、B点(西経150度)。
 最短距離(大圏コース)は赤い線になります。決して緯線に沿うことはありません。
 大圏コースが直線になるように描いてみます。
 緯線が遠回りということがわかるでしょう。
 念のため、地球儀のように見える正射図法で描いてみます。
 最短距離が直線で表されるのが正距図法です。サンソン図法は正距図法ではありません。
地図は「ジオスタジオ」で作製
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