大陸で断裂したグード図法のオリジナル
2020年1月
 断裂図法は「世界地図において図の周辺のひずみの増大を緩和する一つの方法」です。「一つの投影法で全世界を表すのではなく、地表面を部分に分けて(断裂させて)それぞれについてたとえば異なる中央経線を適用して投影するもの」です。グード図法が有名です(引用は政春『地図投影法』より)。
(小著『知って楽しい地図の話』より)
 このように、一般的には海洋で断裂して陸地の形がよくなるように表すのですが、その逆もあります。つまり大陸で断裂し海洋が繋がるようにするのです。日本ではそれを「スベルドロップの海洋図」と呼んできました。
(小著『知って楽しい地図の話』より)
 スベルドロップとは受験生には縁起の悪い名前ですが、ノルウェーの海洋学者・気象学者Harald Ulrik Sverdrup(1888〜1957。ウィキペディアは「ハラルド・スヴェルドラップ」と表記)に由来します。多くの著作がありますが、最高傑作と呼ばれるのは1942年初版の『海洋:物理学、化学、および一般生物学』です(The Oceans: Their Physics, Chemistry and General Biology)。 https://publishing.cdlib.org/ucpressebooks/view?docId=kt167nb66r
その中に、陸地で断裂したグード図法が出てきます(アメリカ人グードによるグード図法の考案は1923年)。
 これはウィキペディアの英語版https://en.wikipedia.org/wiki/Harald_Sverdrup_(oceanographer)からたどることができました。
例を示しましょう。
p740
p749
p804
p975
 断裂の経度は、北半球は東経100度、西経100度、南半球は東経140度と西経60度です。
拡大図はこちらです(p740)。
左下に、確かにグード図法であるということが書かれています。
 なお、ホモロサインというのは、グード図法のことです。グード図法はサンソン図法とモルワイデ図法を合成したものです。モルワイデ図法はホモログラフ(homolographic)
図法と呼ばれることがあります。サンソン図法はsinusoidal projectionと呼ばれるので、
そこからhomolosine図法になったのです。もちろん正積図法なので、そのことにも添えたとても丁寧な書き方と言えるでしょう(グード図法だけでもよいのですが)。

 この図の表現としては、単に「グード図法」でよく、何か付け加えたければ「海洋で断裂したグード図法」とでもすればよいでしょう。
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