新仕様のGoogleマップの地名表記の問題点
2019年3月23日
2019年3月21日?から提供が始まった新仕様のGoogleマップについては、その「劣化」について
多くの指摘がなされている。「朝日新聞」も早速2019年3月23日で記事にしている。
インターネット上ではグーグルマップをめぐり「細い路地が消えた」「道路や線路の形がおかしい」といった指摘が相次いでいる。
実は地図の重要な要素である地名表記に関しても看過できない大きな問題がある。
以下では、山岳地域(丹沢)を例に記載する(その後で、それ以外も若干例示する)。
山岳地域について、広域での表示はぼかしがあり、ある程度起伏がわかるが、縮尺を大きくするとぼかしはなくなり、
起伏を知ることはできなくなる。もちろん等高線はない。ただし今はこうした地図表現(地形表現)については触れない。
縮尺を大きくした地図(丹沢山塊)をもとに問題点を3点記す。赤字(一部青字)は加筆したもの
問題点1 地名選択が不自然 
 不要な地名が記載され、重要な地名が欠落している。
 不要と思われる地名に「不要」と付けてある。蛭ヶ岳北側のポッチノ頭、小御岳を何人の人が知っているだろうか。いずれもヤマレコという山のサイトには記載があるが(ポッチノ頭はこちら)、一般的な山地図(昭文社・山と高原地図)には未記載である。それよりももっと重要な地名、例えば「棚沢ノ頭」などを入れるべきである(A)。
どのような基準でこのような超マイナーな地名を選択したのか、知りたいところである。
問題点2 地名の階層性に対する無配慮
 広域を示す地名を、ピンポイントの地名と同列に扱っている。
 @丹沢主稜、C丹沢主脈は、長い稜線全体について示したものである。今のウェブ地図では広範囲にまたがる注記の表現が苦手のようで、国土地理院の地理院地図にもこうした問題点はある(「地図中心」2018年7月号 小文「地理院地図への期待」)。さしあたってはアイコンを付けず、地名だけを何か所か記すとか(そういう表現はなされている)工夫が必要だろう。
 B丹沢山系も同様である。総称も、ピンポイントの地名も全く同じ扱いになっている。極めて問題である。
問題点3 指示点(アイコン)のズレ
 早戸川乗越のアイコンの位置がずれている。稜線上になければならない。
 丹沢を例に問題点を記したが、それ以外にも地名に関して大きな問題がある。他の地域の例を元に記すことにする。
問題点4 重要地名が欠落
 問題点1と関わるが、大きな問題であるので、項を設けることにする。
鳥海山 鳥海山は縮尺のどのレベルにおいても表示されない。
愛鷹山 同様である(画像にその旨を加筆している)。
水晶島 山では無く島の例であるが、全く記載が無い。北方領土であり扱いがより慎重であるべきだが。
問題点5 誤った(不適切な)記載
 これこそ文字通り致命的(地名的)な問題である。
 @根子岳神社 は間違いではないが、ここが根子岳の山頂なので、「根子岳」と記載すべきである。小根子岳があるからなおのことである。
 A、Bに四阿山がある。同じ地名が2箇所にあるのはどうしたことだろうか。四阿山は一番高い山頂と、三角点の位置が少し離れている。しかしそれはBの位置の付近の話である。Aは根子岳と四阿山の鞍部であり、ここに四阿山の注記がくるのは間違いである。
 下にほぼ同範囲の地理院地図を掲載した。見比べていただきたい。縮めているので読めないが、Aの位置(鞍部)には2039の標高点が記してある。おそらくこれをピークと判断したのではないだろうか。点検すれば誰でも気づく、ありえない間違いである。
(地理院地図)
問題点6 必要以上に多い注記
 間違いということではないが、これほどはいらないだろうと思うほどしつこく繰り返し記載されている。
 問題点2で、広域の表現法として好意的に?紹介はしているが、過ぎたるは及ばざるが如し、ではある。
「朝日」の記事によれば、「グーグル日本法人は22日、「素早い解決に努めており、・・・」」とのことである。どのような形での解決になるのか、期待して見守りたい。
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