東京新聞2019年6月8日の「地上イージス調査ミス」の記事についてのもやもや感
2019年6月8日
 東京新聞2019年6月8日の「地上イージス調査ミス」の記事について、気になる記述がありました。そのことについて記します。 具体的には、タイトルを「尺度異なる地図で計算」とし、本文も「それぞれ異なった縮尺の地図を使っていた」としていることです。タイトルを「尺度」とし、本文が「縮尺」となっていることは問いません。
●「異なった縮尺の地図」とは
 本文では「「高さ」と「距離」のデータについて、それぞれ異なった縮尺の地図を使っていた」と書いてあります。
 こう書いてあると普通はどのように思うでしょうか。「高さ」については、例えば2万5千分1地形図を、「距離」については5万分1地形図を使ったのか、と思わないでしょうか。思わなければよいのですが(^_^;)、「それぞれ異なった縮尺の地図」と書いてあれば、あり得ないとは思いますが、そのような読み取りをするのが普通ではないでしょうか(あくまでも、読み取りとしては、です)。
 さらに、異なった縮尺の地図を使ったら、どうして「実際は約四度なのに約一五度と記され」るのでしょうか。幸い図が添えてあります(下にも掲載)。それで言わんとすることは理解できますが、その図のネームも「異なる縮尺の地図から計算」となっています。「地図から」です。
 これを普通に解釈すれば、縮尺が異なる複数の地図を使って描いたのが「報告書の記載」なのだということになりますが、腑に落ちません。目から鱗が落ちません。コンタクトが落ちてしまい、ますますぼんやりしてしまいます(^_^;)。
●実際は、断面図の、垂直方向の縮尺と水平方向の縮尺が異なっていたということ!
 すでにテレビや他紙(朝日新聞秋田版秋田魁新報など)の説明で明確に説明されているように、問題は、垂直方向を、水平方向より約4倍拡大した断面図の上で作業(計算or計測)をしてしまったことにあります。そういう意味では、縮尺は異なっているのですが、「異なる縮尺の地図」と書いてしまうと、ベースになる地図、使用した地図が複数あり、その縮尺が異なっていたというように理解されてしまうのではないでしょうか(しつこく、繰り返します)。
実際にはグーグルアースを使っていたようだ。
 断面図は、グーグルアースの断面図作成機能を使って作ったことは確実です(まず間違いないでしょう)。そのグーグルアースを「異なる縮尺」で使っていたわけでありません。
 ただ、断面図が、水平方向の縮尺と、垂直方向の縮尺が異なるということに、作業担当者が気づかなかったのが原因です(と思われます)。断面図は一般に垂直方向を拡大するので、水平方向と縮尺は一致しません。それは不適切なことではありません。グーグルアースの仕様に問題があったわけではありません。垂直方向と水平方向の縮尺が異なる断面図の上で実作業をしたことに問題があるのです。
記事には誤解のない書き方を
 防衛省の担当者が「それぞれ異なった縮尺の地図を使っていた」と説明したのかもしれません。そうだとしても、このような初歩的なミスをしているわけですから、その説明をそのまま聞いてはなりません(^_^;)。読者が誤解をしないように「翻訳」して誤解のない記事にするのが、新聞の大事な役割と思います。

 私が気にしすぎているのかもしれませんが、「異なった縮尺の地図」という表現にはもやもや感、違和感を覚えるのであえて記しました。 
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