「岳人」2018年2月号の記事について
2018年1月
 「岳人」2018年2月号は地図特集です。その中の「進化する電子地図」は、まさにこの内容の時期を体験してきただけに興味を持って読みました。
 しかし、色々と気になる記述がありました。問い合わせもあったので、記述内容の補足を含め、記すことにします。
 図中の番号に対応して記載しています。
@ 年次について補足すると、1993年より「数値地図」という名称で一般に販売が開始された。冒頭に「1980年代 フロッピー販売」とあるがこれは間違いではないか。
(「GIS−理論と応用」1996年第4巻2号【研究報告】国土地理院の数値地図整備」に当事者による記述がある)。
懐かしい5インチのフロッピーデイスクの写真が掲載してあるが、それには平成5年6月1日発行と書いてある。
そのことからも1980年代というのはおかしい。

A 文脈からここでは標高データのことを話題にしているはずである。1枚5000円ではなく、9700円である。なお、1997年4月より6000円に値下げされた。
(『パソコンで楽しむ山と地図』p33)


B 1997年7月発売。上で述べているように、それに先立ち、いわば瞬間的にフロッピーディスクが値下げされた。こうれはどういう意味があったのだろうか。なぜ、そうしたのだろうか。国土地理院、日本地図センターに尋ねる話題であるが(^_^;)。

C カシミール3Dは、1994年にリリース開始。当初は「カシミール」と言っていた。
「この頃」というのは、幅のある表現であるが、「前段の90年代後半になると」というのを受けた表現だとすると、正確性を欠く。「カシミール3D」の名称になったのは、バージョン4からで1997年と思われる。

D 「2万5千分1地形図の閲覧」という表現は適切ではない。2万5千分1地形図はあくまでも紙地図である。「2万5千分1地形図相当の地図データ」とでもすべきである。
国土地理院が同データをインターネットで見ることができるようにしたのは2000年7月にスタートした「地図閲覧サービス(試験公開)」であった。開始時はモノクロだったが2004年3月からはカラーになり、「ウォッちず」という名称になった。2万5千分1地形図そのものではないが、ほぼ同等の内容を閲覧できるようになった。カシミール3Dは少なくとも2001年からは、これに対応している。

E 2012年に第1回「電子国土賞」をPC部門で受賞。
短いスペースの中での記述なのでやむを得ない面はあるが、この記述だと、2万5千分1地形図を閲覧できるようになったことが、「電子地図データの新たな活用法」であり、それが理由で受賞したように読み取れる。しかし、年次的にも大きな隔たりがあるし、電子国土賞を受賞したことは、閲覧できるようになったことが理由ではないはずなので、違和感のある記述である。

F 有料で、一山域500円である。誤解を招くというか、誤った記述である。