グーグルマップは地球を半径6371qの真球として距離計算を行っている
2017年2月26日、27日、3月1日加筆
2017年2月、地理院地図での距離計算は、
「地球を回転楕円体とみなした近似式(※1)により計算。
※1 国土地理院 測量計算サイトの計算式」
で行われるようになりました。
http://maps.gsi.go.jp/help/howtouse.html
一方、グーグルマップの距離計算は、地球を真球として行っているようです。
但し、そのことは明記されていないようなので(私が見落としているのかもしれませんが)、以下の方法でそれを確認してみました。

1.グーグルマップで2点間の距離を求める。
2.国土地理院測量計算サイトで同じ2点間の距離を求める。
3.値に違いがある場合、球面三角法により2点間の距離を求める。グーグルマップの距離が、球面三角法の値と一致していれば、真球として距離計算を行っていることになる

1.グーグルマップで2点間の距離を求める。
今回のポイントは、経緯度を手入力して値を求めるということです。
グーグルマップでは地図上でクリックして距離を求めることができますが(それはそれで便利ではあるのですが)、経緯度を手入力して求めることができません。
それが可能なサイトはあると思いますが、今回はあくまでもグーグルマップそのもので操作したいと思います。
今回は、目的が真球で行われているかどうかの確認なので、まずは図上で2点間の距離を求め、その後で、その2点の経緯度を正確に知ることにしました。
(1)図上で2点間(東京−ロサンゼルス)の距離を求める
8817.07qと出ました。
(2)東京の経緯度を求めます。
東京を中心にして、目一杯拡大します。その後でマウスポインタを起点にあて、右クリックします。
以下の窓が開きます。「この場所について」をクリックすると、経緯度が表示されます。
35.689359   139.692131と表示されました。
表示形式は、十進法度単位 です。
同様に、ロサンゼルスを行います。
34.032714  −118.239294
西経はマイナスがつきます。
(地図はグーグルマップより)

2.国土地理院測量計算サイトで同じ2点間の距離を求める。
上記で求めた経緯度の値を、国土地理院の測量計算サイトの「距離と方位角の計算」に入れます。
その結果は、8836.12qとなりました。
19.05kmの差がでます。一致しません。誤差の内とは言えない大きさでしょう。

3.球面三角法により2点間の距離を求める
値に違いがあるので、球面三角法により距離を求めることにします。これは前提として地球を真球として考えることになります。「2点間の距離と方位計算ツール(DISTANCE.EXE)」という優れたソフトがありますが、これは地球半径を6370.3qとしています。

こちらのサイトには以下のような記述があります。画像として引用します。
半径を6378qとしているので、半径を変えて計算できるソフト(サイト)があると便利です。
幸い「keisan」サイトに、「2地点間の距離と方位角」を求めるページがあり、地球半径を任意に設定できます。計算式も示してあるので、安心です。
地球半径を6371qとした場合、8817.05qとなりました。
グーグルマップによる測定値は8817.07qですので、ほぼ間違いないでしょう。
ちなみに、6378.137kmとした場合は、8826.93qとなりました。
なお、6371.01qとすれば、ぴったり8817.07qになります。
この、地球半径について、地図投影法ソフト「ジオカート」の作者のダン・ストリビさんから以下の情報を得ました。日本語が堪能な方で、原文のままご紹介します。
クーグルの使う半径は、いわゆる「正積真球半径」だと思います。もしそうではなければ、おそらく「平均半径」だと思います。
正積真球半径とは、地球を表現する楕円体の面積を実現する真球の半径のことです。利用の楕円体によって微妙に変わりますが、いずれにしてもやく 6,371,007 m です。
平均半径はいくつかの定義が考えられますが、International Union of Geodesy and Geophysics の採用した定義によると、R = (2a+b)/3  = 6,371,009 m となりすます。
いずれにしても、6371.01とすることができますね。

知る人ぞ知ることだったかもしれませんが、距離計算ソフトなどを使った結果、グーグルマップの距離計算は、地球を半径6371qとした真球の上で行っている(だろう)というのが、現時点での結論です。



(参考)測地線を楕円面上で正確に表示できるサイト
これによれば、地理院の計算サイトと同じ値になる。


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