きちんと改訂されている地理院地図、電子地形図25000
三富新田を例に
2014年8月
地理院地図やそれをもとに作成される電子地形図25000の特徴の一つは改訂の早さだと思います。地形、地物の改変があったり、間違い(^_^;)が見つかった場合は、技術的には速やかに改訂できるはずです。
その例を一つご紹介しましょう。
地理院地図(電子国土基本図)の問題として「2つの地図精度の併存」が指摘されていました。都市計画区域においては、「基盤地図情報2500レベル」の詳細なデータが使えるのですが、そうでない地域では、「基盤地図情報25000レベルの内容で、従来の空中写真測量相当の情報であるが故に・・・総描が原則となる」(『地図中心』2014年1月号卜部論文より)
卜部氏は、その顕著な例として路村タイプの新田集落として有名な三富新田の例を紹介しています。同誌掲載の地図を2点引用します。
境界を加筆 左側が所沢市、右側が三芳町
確かに、従来の地形図では、地割りに大きな差はありませんが、電子地形図25000では、両者に大きな違いがあります。これだけを見ると、同じ新田開発と言っても、所沢市と三芳町の間では、開発形態、あるいは土地所有関係において何か異なる事情があるのではないかと考えてしまいそうです。
卜部氏は同誌で次のように書かれています。
「このケースは、今後、三芳町の情報が2500レベルに面的に更新されない限り、印刷図の新版1:25000地形図でもこのような描示が続く可能性がある」
続けて、学校関係者にも注意を促しています。「・・・教材を選択する指導者には、常にこの問題を率先して見抜く能力が要求される」。
これが書かれて8ヶ月経った現在、どうなっているかと、まずは地理院地図を見てみました(2014年8月13日)。
三芳町もかなり詳しくなっているではありませんか。基盤地図情報2500レベルのデータが整ったのでしょうか。
それとも、空中写真をみれば判読できるでしょうから、空中写真(最新)を丁寧に見て、訂正したのでしょうか。
(上記2点は、カシミール3Dで閲覧したものを掲載。ディスプレイより広い範囲を保存する際には、「編集」−「選択範囲を決める」機能が便利です。
念のため、電子地形図25000ではどうなっているか、8月13日にダウンロードしました。
地理院地図と色調は異なりますが、道路網などは確かに同じですね。
卜部さんが2013年12月9日にダウンロードされた図とは明らかに異なっています。
これはたまたま公にされたので、国土地理院が特例として作業したのでしょうか(^_^;)、それとも全域で、異なる精度の改善に努めているのでしょうか(^_^)。
いずれにせよ、利用者にとっては有り難いことです。限られた人員、予算の中で、優先順位をどうつけるか大変とは思いますが、地理・地図教育において非常に有名な地域について、きちんとした対応がなされたことは評価したいと思います。
不都合な地域を指摘し、発表すれば、早く改善されるかもしれませんね(^_^)。
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