新潟県から見る富士山(原稿・工事中)
2011年3月
 新潟県は、群馬、長野県境にわずかポイントがあります。県内単独の場所は越後三山と妙高山、火打山などの頸城の山のみです。

 平ヶ岳や越後駒ヶ岳、中ノ岳から巻機山、谷川岳、仙ノ倉山、平標山にかけて、南の方向に望むことができます。群馬、新潟、長野三県境の白砂山からも、奥秩父の上に頭を出す富士山が眺められます。
 その北約12qの苗場山は、富士山遠望に関しては話題の多い山です。天保年間に出版された鈴木牧之(ぼくし)(1770〜1842)の『北越雪譜』に富士山が見えるという記述があるのです。文化8年7月5日(1811年8月23日)夕方にたどり着いた山頂で、「こゝに目を拭いて扶桑第一の富士を視いだせり、そのさま雪の一握りを置くが如し。人々手を拍(うち)、奇なりと呼び妙なりと称讃す」と、牧之と10名近くの一行が目撃していたのです。
 しかし、植物学者で戦後すぐに日本山岳会会長もつとめた武田久吉氏が、自身の体験を踏まえ「恐らく雲の一片」だろうと否定(「山と溪谷」62号、1940年)したこともあって、見えるかどうか議論になっていました。私の全くの想像ですが、8月に「雪の一握り」つまり白い富士山というは妙だという思いもあったのではないでしょうか。
 山頂に山小屋もあるので、証拠写真が撮れても良さそうなものでしたが、それが実証されたのは実に半世紀以上も経ってからでした。1993年10月10日、11月2日、「山の展望と地図のフォーラム」の会員が相次いで証拠写真を撮影し、間違いなく見えることが確認されたのでした。

 妙高山、火打山、焼山からは八ヶ岳と奥秩父の隙間に、前山に遮られることなくかなりすっきりとした富士山を見ることができます
妙高山の北約11qの大(おお)毛(げ)無(なし)山(やま)は富士山から真北の方向で最遠望の山です(189q)。
ここからは、菅平の西にある大松山(1649m)の左側にかろうじて頭を覗かせるだけですが、富士山と視認することはできるでしょう。ただし、証拠写真はもちろん、目撃証言もありません。

 白馬岳周辺では、白馬大池北側のピーク(2469m新潟県・長野県)が北アルプスからの最遠の地になります(179q)。八ヶ岳の権現岳と編笠山の間に覗きます。まだ証拠写真はありませんので、篤志家による撮影を期待したいところです。
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