神奈川県から見る富士山
丹沢、箱根が富士隠し
2011年3月 2015年2月加筆
 神奈川県の東部、南部はほぼ富士可視圏になります。
 横浜や川崎も望岳都です。私は横浜市内の県立高校4校に勤務しましたが、いずれも屋上から富士山が見え、展望図を描くのが楽しみでした(正確には、最初の勤務校は校舎移転する前は富士山が見えず、また、私も山にはまるで興味がありませんでした。それが一転するのは、交通事故に遭い、リハビリで山を歩くようになってからでした)。横浜市内と言っても、富士山の見え方が異なります。横に長い丹沢山地のどこに富士山が来るか、場所によって違うのです。最後の学校は、見えるかどうかぎりぎりでした。いわゆる「消え富士」状態でした。横浜市の西端にあるので丹沢山地に近く、相対的に丹沢山地が高くなるため富士山が隠れそうになるのです。
 手前の山によって富士山が見えなくなる(消える)ことが気になり、それが可視マップ作成に繋がっていったのですが、そのきっかけをつくってくれたのが、丹沢山地だったのです。代表的な展望ポイントをあげていきましょう

*横浜市
 横浜市の最高地点のランドマークタワー69階展望室(273m)。市街地越しの富士山が望めます。2009年にリニューアルしたマリンタワーは、高さにおいてはランドマークにかないませんが(展望フロア91m)、港町横浜を意識しながら見るにはお奨めです。港湾機能と一緒に富士山を見たい場合の穴場スポットが横浜港シンボルタワーです。展望台の高さは42mと決して高くはありませんが、ガントリークレーンに囲まれた富士山が横浜らしさを演出しています。同様に大黒ふ頭からは、ランドマークタワーなどみなとみらい地区の高層ビルと一緒に富士山を見ることができます。
 内陸部に入れば、港北ニュータウン内の川和富士があります(都筑区)。富士山信仰のために人工的に作った富士塚を移築したものです。このミニチュアの富士山から綺麗に富士山が見えます。2月23日「富士山の日」にはダイヤモンド富士を見ることができ、マニアにはよく知られた存在です。横浜市営地下鉄の延伸により、アクセスが便利になりました。その他横浜からの富士山については小サイト「横浜からの山岳展望」をご覧ください。
*川崎市
 臨海部の川崎区東扇島に、川崎マリエン(川崎市港湾振興会館)があります。展望室は地上50mの高さにあり、360度の展望が可能です。幸区には夢見ヶ崎公園という小高い公園があり「富士見デッキ」が設けられています。新川崎駅から歩いた場合、最初に登り着いた広場の展望台からは木が邪魔をして見えません。動物園にそって北西に進んだ端にあります。二股に分かれた木の間から富士山を眺めることができます(U字富士と仮称しましょう)。多摩区の生田緑地の一角に枡形山展望塔があります。向ヶ丘遊園駅のホームからも屋根の三角形がわかります。丹沢山地の最高峰の蛭ヶ岳に被さるような富士山です。2011年現在は手前の木の上に見えていますが、もし木の成長が続くようなら将来が不安です。専修大学の校舎に隠されなかったのは幸いでした。
 うなぎの寝床と形容される川崎市を多摩川に並行するような形で走る南武線は、多摩丘陵越しに富士見ポイントがあります。特に高架区間(2011年現在、武蔵小杉〜武蔵新城間)では、地上区間とは大違いで、多摩丘陵の先に連続して眺めることができます。高架の効果に驚かされます。建物にも隠されることもありますが、色々な「隙間富士」「微富士」が楽しめます。

*湘南〜三浦
 湘南海岸〜三浦半島では、海越しの富士山を眺めることができます。神奈川から眺めるの富士山の特徴の一つです。
 江ノ島は2003年にリニューアルされた灯台からは遮るものがない展望です。逗子海岸からはその江ノ島とツーショットの富士山です。三浦半島の西側からは、葉山長者ヶ崎湘南国際村大楠(おおぐす)山など枚挙にいとまがありません。最南端は城ヶ島です。ここは4月初めから5月初めまで約1か月の間、ダイヤモンド富士が楽しめるエリアでもあります(後半は8月上旬から9月上旬)。
 県央は北部が空白地域(非可視地域)になります。海老名駅がちょうど消え富士駅になります。平塚市の湘南平は、神奈川県の景勝50選に入っており、桜と富士山を一緒に眺めることができます。吾妻山公園(二宮町)は、二宮駅から展望台まで歩いて約20分。1月に菜の花と一緒の富士山を見ることができるので、最近有名になってきました。

*県西〜箱根
 県西部から箱根では、松田山ハーブガーデン(足柄上郡松田町)が早咲きの河津桜で有名です。一般に桜の咲く時期は霞がかかってきて展望に不向きなのですが、3月中だとまだ視界がきき、クリアな富士山と一緒の桜が堪能できます(リンク写真は、2009年2月21日)。
 足柄平野は可視域なのですが、西に向かうにつれ箱根が富士隠しになります。新幹線でも小田原の手前で消え富士になります。
 その箱根は稜線からはばっちりです。自動車でいける大観山は、やはり神奈川の景勝50選の一つで、芦ノ湖の上に富士山という絵葉書的な構図ですが、一見の価値はあります。
 私が意識的登山で初めて登った金時山からは麓から遮るもののない富士山が望め、見えすぎて何か恥ずかしくなるほどです。

*丹沢山地など
 稜線に上がればよく見えるのは丹沢山地も同様です。神奈川の東部、南部の一部を富士隠しにする丹沢山地のピークは富士山の絶好の展望台です。大山塔ノ岳丹沢山蛭ヶ岳鍋割山大室山等々。大山には途中に富士見台というポイントがあり、それまでは樹林の中のきつい登りが続いているので、ここで富士山を見ると、誰もが「あっ、富士山だ!」と喜びの声を上げます。
 県北端の陣馬山(神奈川の景勝50選)も忘れてはいけません。道志山塊の上に優美な姿を現しています。
 神奈川県民の立場からすれば、富士山は神奈川の山と言いたくなるほど身近で不可欠な存在なのです。
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