群馬県から見る富士山(原稿・工事中)
つるの頭からはよく見える
2011年3月
 可視域は中北部の山岳地帯に点在しています。栃木県と違い、平野部で見えるところは僅かしかありません。上毛かるたで、「つる舞う形の群馬県」と言われていますが、その頭に当たる東端部のみです。見晴らしのよい冬場は山岳部は雪に覆われ実際に見ることは難しくなります。

*山から
 群馬と言えば上毛三山(赤城、榛名、妙義)が有名ですが、赤城山からはよく見えます。特に広大なスロープの南部に可視域が大きく広がっています。平成の大合併により2009年に前橋市に編入されてしまいましたが、かつては村としては唯一富士見村(勢多郡)がありました。ここからの富士山の美しさに感動し佐藤修さんは、25年にわたり毎朝7時に富士山が見えるかどうか記録をつけてこられました。富士見村郷土研究会発行の「郷土研究」50号に一覧表が掲載され、それをもとに船水康宏さんが『富士山展望百科』(実業之日本社)で紹介されています。1972年から1997年までのグラフ化された記録を見ると、その期間では年々減少傾向にあります。1970年代には80日平均でしたが、1997年には52日と大きく減っています。
 上毛三山では、榛名山からは見えますが、妙義山からは奥秩父に阻まれてしまいます。
 武尊山(ほたかやま)周辺では、稜線だけでなく、穂高牧場からも南の方向に望見できます。

 あとは栃木、福島、新潟、長野県境付近の山々に可視域があります。栃木県境では、袈裟丸山、皇(す)海(かい)山(さん)、錫ヶ岳、白根山(栃木県の項で説明)などです。新潟県境では、平ヶ岳、丹(たん)後(ご)山(やま)、巻機山、谷川岳、平標山、白砂山(長野県との3県境)などです。県境に近い野反湖の南に野反湖富士見峠(野反峠、百景)があります。ここからは奥秩父の富士見台のすぐ右に富士山が覗くのが興味深いところです。中之条町六(く)合(に)地区観光情報ホームページには、「年間数回しか見られないのですが写真に収めることができました」として貴重な写真が掲載してあります(http://bit.ly/hVcEyn)。群馬県最北端で利根川の源流にあたる大(おお)水(みな)上(かみ)山(やま)からは見えません。長野県境では横手山、四阿山、湯ノ丸山、篭ノ登山、浅間山(立ち入り制限あり)、鼻曲山などがあります。横手山にはリフトで容易に上がることができます。県境に近い草津白根山からは奥秩父の北奥千丈岳と金峰山の間に僅か頭を覗かせます。
 南西部では西上州の赤(あか)久(ぐ)縄(な)山(やま)が、富士山の見える貴重な山です。さすがに一等三角点峰と言えるでしょう。その西北西約2qにある白(しら)髪(が)岩(いわ)(1512m)もギリギリで可視域です。ここは「原三角点」(陸地測量部が一等三角測量を開始する前に内務省地理局が行った測量の基準点。現存するのは3点)が唯一設置されたままの状態で残っている山ですが、地形図には記載がありません。登山道も明瞭ではないので登るのはちょっと大変ですが、富士山がマニアックな見え方をするのはともかく、西上州屈指の好展望の山でもあります。(「原三角点のある白髪岩」など参照)。



*平野から
 東端の平野部からは、百景では、群馬の水郷(板倉町)となかさと公園(千代田町)があがっています。群馬の水郷は、渡良瀬川の支流谷(や)田(た)川(がわ)の河川敷の自然を生かした公園で 水田や河川越の富士山を見ることができます。なかさと公園は、利根川沿いのスーパー堤防に整備された公園です。多(た)々(た)良(ら)沼(ぬま)(館林市、邑(おう)楽(ら)町(まち))は白鳥の飛来で知られており、富士山と白鳥のツーショットが可能です。
 人口上位3市を見てみましょう。1位の高崎市役所21階には展望ロビーが用意されており、山岳展望も満喫できるのですが、おしむらくは市街地からは富士山は見えません。2位の前橋市の群馬県庁にも32階に展望ホールがありますが、こちらも同様です(高崎と前橋は何かにつけ比較されるのですが、富士山に関してはともに市街地からは見えません)。3位の太田市は東によっているため望見可能で、特に市のシンボルの金山にある中島記念公園からの富士山は百景に選ばれています。
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