福島県から見る富士山(原稿・工事中)
北の最遠の地
2011年3月
 福島県は見えるポイントは僅かですが、富士山が見える北限の地のある所として、近年話題になっています。阿武隈高地からは東北線の走る方向がアキになり遮る高い山がないので、幾つか期待できる山があります。
私も関わっていますので、経過を含め詳しくご紹介します。

 現時点で証拠写真がある最遠の山は日山(ひやま)(所在   、299km)です。私がパソコン通信を初めてまもない1991年に情報を寄せてくれた人がいましたので、それなりに知られていたようですが写真がありませんでした。地元の岩代町(当時)では、町おこしの材料にすべく、山頂に立派な展望台を造ったり、撮影者に対しては懸賞金を用意するなど熱心な取り組みを行いました。2001年1月、福島県の鈴木一雄さんが、日没時の富士山を撮影しました。写真を含め、経過などは、岩代町のホームページの「これが富士山だ!」に記してあります。同年12月には、阿部正広さんが羽(は)山(やま)(麓山(はやま))(所在、298km)から撮影しました。明瞭な写真ではなく私がその「鑑定」をしました。日山より1km短いのですが、緯度的には若干北になります。日山が「北限」なら、こちらは「北遠」になるのかと、話題になったこともあります。
 2009年11月には福島県の千葉茂樹さんが順光の下で文句なしの明瞭な写真を撮影されました(「福島民報」2009年11月6日付などに掲載)。さらに同年12月22日 菅野 和弘さんも麓山から撮影されました(「福島民友」12月2月31日付けに掲載)。

 この写真を大気差を通常の状態としたCGと比較すると、富士山の見え方が少し大きかったのです。大気の冷たい冬場の時期のため、「大気差」の影響が通常より大きく現れて、光の屈折の度合いが大きくなった、つまり水平線よりも下がより大きく見え浮き上がって見えていたのです。

 実は福島県で一番遠い(つまり北の最遠)のは、もう9q離れた花塚山(所在、 308q)ということが可視マップでわかっていました。しかし、そこからのCGは、手前の山にごくわずか頭が出るだけで、とても富士山と視認することは難しいと思われていました。麓山から撮影された時の気象条件なら、大気差を1.20(標準は、上に記したように1.156)程度になるようで、富士山とわかるだけの形が現れそなのです(カシミール3Dで、展望図も描けます)。俄然花塚山に期待が出てきたのです。

 地元紙には花塚山からの撮影挑戦を呼びかける記事も出て(「福島民友」2010年1月6日)、実際に挑戦を行った地元の2人のマニア(菅野和弘さん、松本英一さん)を密着取材したNHKTVの番組まで作られました(NHKTV「ワンダフル東北」「富士よ姿を見せてくれ〜富士遠望の北限に挑む〜」2011年1月21日放映)。
 番組では、残念ながら花塚山からの証拠写真は写せていませんが、理論的には間違いないので、時間の問題と期待しています。

 阿武隈高地の他の山では、 三株山(所在、247km)が山岳雑誌に証拠写真が掲載されました(「山と溪谷」1998年6月号)。そのほか大黒山(260q)、一等三角点峰の妙見山(248q)、朝日山(243q)など南部に散在しています。
 茨城・栃木との県境の八溝山は山頂直下まで行け、頂上の天守閣の形をした展望台からは223q彼方にすっきりと望むことができます。
 また栃木県との境の那須連峰も220kmを越える超遠望の地です。中心の茶臼岳は栃木県ですが、最高峰の三本槍岳(栃木県那須塩原市、福島県西白河郡、227km)は県境になります。
 南西部では、会津駒ヶ岳(195q)や燧ヶ岳(檜枝岐村、184km)からも見ることができます。
なお、福島県からの富士山については、毎日新聞が福島県版で1998年1月に、「富士山遠望 福島から幻の姿追う人々」という数回にわたる連載記事を掲載しています。
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