千葉県から見る富士山(原稿・工事中)
最東端展望地点のある県
2011年3月
 房総丘陵から安房の海岸部以外はほぼ全域が可視域です。しかし丘陵や台地を刻む谷の部分は非可視地域になりますから、可視域もベタではなく、細かいまだら模様になるのが特徴です。従って平坦な地形が続く九十九里平野はベタの可視域になります。
 千葉県からの最大の特徴は海越しの富士山ということになるでしょう。
 インターネットで探してみると「千葉からですと海の上に浮かぶ富士山が楽しめますよ」「冬になると幕張の浜や美浜大橋によく見に行きます」と言った書き込みが見つかります。関東の富士見百景でも多くが海岸から選ばれています。

*東京湾に沿って
 東京湾に沿って南下して見ていきましょう。美浜大橋や稲毛海岸は北部の代表的なポイントです。千葉県民が500万人に達したことを記念して作られた千葉ポートタワーに上がれば113mの4階展望台から360度の展望を得られます。海ほたるに渡れば行き交う大型船と上空を飛ぶ飛行機と一緒に富士山を眺めることができます。
 ところで実際には、千葉から富士山はどの程度見えるものなのでしょうか。木更津市役所は、光化学スモッグ対策を考える上で視程の調査が必要ということで、1969年から毎朝9時に目視観察をしています。2008年度までの平均では年間49日となっています。21世紀分だけを見ると57日になりますから、見え方がよくなってきたようです。
 首都圏に残された貴重な干潟越しに富士山を眺めることができるのが、小櫃川河口干潟です。 岩井浜海岸には4月末にダイヤモンド富士の撮影に行きました。見事にゲットできましたが、半日がかりでした。
 北条海岸は、百景以外にも、「東京湾100選」、「日本の夕陽百選」にも選ばれています。館山の城山公園に上がれば市街地を俯瞰しその先に富士山を眺めることができます。ここからは2009年11月3日、パール富士を撮影することができました。前夜は激しい雨でしたが、晴天の特異日通りの好天になり見事なパール富士を鑑賞できました。房総半島の最西端が州崎です。灯台と一緒の富士山が眺められます。ここには夕日が丘富士見台というピンポイントの富士見地名があります。

*房総丘陵と外房
 次に房総丘陵を見てみましょう。山頂部からはいずれもよく見えます。鹿野山、鋸山(ロープウェイで上がれます)、愛宕山(408m、千葉県最高峰、自衛隊の基地があるため許可が必要)、伊予ヶ岳、富(とみ)山(さん)など。清(きよ)澄(すみ)山(やま)はすぐそばの天富神社の境内展望台が「神社と対面するように富士山が見られ」百景に選ばれています。
 勝浦の近くに点在するポイントの一つがJAXA(宇宙航空研究開発機構)の勝浦宇宙通信所です。関係者が送ってくださったパラボラアンテナと一緒の富士山の写真(1995年2月2日撮影)が手許にあります。かなり貴重な一枚です。
 九十九里浜を経て、屏風ヶ浦の西端の刑(ぎょう)部(ぶ)岬には展望館もあり、最近はダイヤモンド富士のポイントとしても注目されています。そして富士山が見える東端が銚子のポートタワー。富士山からの距離198qです。人工物ではない自然の状態で最も遠い地点は長崎鼻の海岸で197qになります。千葉県出身の伊能忠敬は、精密な実測図を作成しましたが、富士山から37本の方位線が描かれています。その中で2番目に長いのが外川と結んだものです。当時の見晴らしの良さを証明するものでもあります。
 なお、愛宕山には「地球の丸く見える展望館」があります。ここからも富士山は見えます(犬吠埼からはこの愛宕山が邪魔をします)。念のため申し上げれば100mにも達しない高さで地球が丸く見えることはありません。水平線を丸くなっては水平線ではありません。詳しくは小著『知って楽しい山岳展望』「山からも海は丸く見えない!?」などをご覧ください。

*北部ほか(下総にする?)
 百景には「すいごうさわら」として水郷地帯からの富士山が選ばれています。香取市(佐原)には伊能忠敬の記念館や旧宅があり、小野川流域のよく保存された町並みも魅力的です(東日本大地震で被害を受けました)
 成田空港は第1ターミナルビルの展望デッキから飛行機とのコラボが可能です。
 北西部の野田市には屈指のビューポイントと言われる玉葉橋(埼玉と千葉を結ぶ)があります。やはり百景には「田園の地平線から突き出た富士山が見られる」と紹介されています。ここが最近話題になるのは冬至の前後にダイヤモンド富士になるからです。千葉県で見られる北限のダイヤモンド富士ということになります。2009年12月22日に撮影に行きましたが、橋を含め、江戸川の堤防上には沢山のマニアが訪れていました。
 南限のダイヤモンド富士も気になるところですが、千葉県の南限は日本全体の南限でもあります。白浜町根本海水浴場(113q)で6月5日頃になります。習志野市の吉野宏さんが見事な証拠写真を撮られています。
 北西端の関宿には天守閣の形をした関宿城博物館があります。関宿は関東平野のほぼ中央に位置しており、最上階の展望室からは関東一円の山並みをぐるっと展望できます。南西125qの彼方にはもちろん富士山が見えます。ここの特徴はその天守閣と富士山のツーショットです。お城と富士山を一緒に撮れる全国唯一の場所と言ってよいでしょう。(唯一と言えるかどうか?)
 ところで、臨海部では高層ビル、マンションが建ち並んでいるのは千葉県も同様です。その中で、屋上などが一般に開放されている希有な分譲マンションが市川駅前にあります。「アイ・リンクタウン展望施設」として、45階と屋上(160m)が展望ロビーや展望デッキになっています。ここからは富士山の右手にスカイツリーも眺めることができます。ダイヤモンド富士も可能なので、その当日2011年2月5日にNHKテレビの取材に同行しましたが、残念ながら曇天で、スカイツリーすらはっきりしない状況でした。
 千葉県はダイヤモンド富士においても沢山の話題を持っています。

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