ヨーロッパ最高峰について 
「山の展望と地図のフォーラム」への書き込みから
(1)nifty:FYAMAP/MES/15/1606
2002年9月6日

 「しんぶん赤旗」2002年9月6日から「ヨーロッパの最高峰 エルブルース紀行」という連載が始まりました。
  
 第1回の本日の「解説」に以下の記述があります。
∃ーロッパ大陸の最高峰
 以前はモンブラン(4807メートル、フランス)とされていましたが、ソ連の崩壊で外国人の立ち入りが許可されたことにより、現在はエルブルースが最高峰とされています。冒険家の故植村直巳さんは五大陸最高峰登頂を目指す過程でモンブラン登頂後にエルブルースの方が高いことを知り、登り直しました。

 この記述はおかしくないでしょうか。
 植村さんが「登り直し」たのは1976年7月31日です。ソ連崩壊は1991年です。
植村さんは「外国人」とは見なされなかったのでしょうか?
 ソ連の崩壊云々とヨーロッパの範囲をどう見るかは全く別の問題です。書いた方は、何か誤解をしているのでしょうね。

 ヨーロッパとアジアの境はカフカス(コーカサス)山脈であるが、エルブールス山は、境となるメインの山稜より約10キロほど北側、つまりヨーロッパ側にあるので、これがヨーロッパの最高峰だ、というのが一般的な説明です。

 Elbrusで検索したら、以下のサイトが見つかりました(これには11キロとありますね)。

Mt. Elbrus is the highest point of Europe. The Caucasus Main Range is considered to be a border between Europe to the North and Asia to the South in most (but not all) guidebooks and encyclopedias. Two main
Mt. Elbrus summits are about 11 km (6.8 miles) to the North from the Main Range, inside European territory. The Main Range is a state border between Russia and Georgia. Both countries are parts of former USSR country but now are absolutely independent states.
http://www.elbrus.org/eng/elbrus_facts.htm
 
 編集部に意見を述べようと思います(^_^)。 
●2004年12月5日注
上記のURLが変更になっています。必見のサイトです。
http://web.archive.org/web/20030410195635/www.elbrus.org/eng/elbrus_facts.htm
 その後、2004年になって新たな展開がありましたので、以下、記します。
(2)http://bbs.com.nifty.com/mes_s/cf_wrent/FYAMAP_B013 の194番目
2004年12月5日
192. 「ヨーロッパ最高峰モンブラン」
 2004年12月05日 日曜日 09時10分 山尾望 [SDI00790]
「朝日」2004年12月5日「言葉の交差点」欄(10面)に「モンブラン」の説明があります。
 その中で、「ヨーロッパの最高峰、モンブラン」と書いてあります。ヨーロッパアルプスの最高峰ではありますが、ヨーロッパ全体のそれではありません。
 http://homepage3.nifty.com/tasiro/elbrus.htm
書いた人は校閲部の方です(^_^;)。

例によってお節介電話をしたのですが、この時間では誰も出社しておらず、意見や質問を受け付ける広報部も日曜日(祝日)はお休み。記事についてはどこにも意見、質問を言えないということがわかりました・・・。
193. Re:「ヨーロッパ最高峰モンブラン」
 2004年12月05日 日曜日 09時20分 山尾望 [SDI00790]
高校生が使う副教材を見てみました。
「世界のおもな山」という項があります。
これが地域別区分(アジア、ヨーロッパなど)を行った上で山脈を記し、その上で個々の山を書いています(帝国は先に山名を書いています)。

二宮書店 「データブックオブザワールド
  アジア・ロシア  カフカス山脈 エリブルース 5633
帝国書院 「地理統計」
  アジア      カフカス   エルブルース 5642

何と、エリブルース(エルブルース)山は、アジアの扱いですね。カフカス山脈が全体としてはアジアに扱われているので、そうなってしまうのでしょう。従って、ヨーロッパはモンブランが最高峰になっています。

出典は理科年表となっています。今理科年表が埋もれてしまって見つからないのですが(^_^;)、同書がそうしているのでしょうね。
朝日の記者を単純に責めるわけにはいかないかもしれません。
でも校閲部の、しかも山について書く方なら、しっておいて欲しいなと思います。
199. Re2:「ヨーロッパ最高峰モンブラン」
 2004年12月05日 日曜日 20時11分 山尾望 [SDI00790]

(略)

会議が早く終わったので、7時過ぎに電話をしてみました(今日3回目(^_^;))。交換の女性のガードが堅く、記事については広報に問い合わせよと言い張ります。その広報は今日は休みでしょ、と言ったら、しつこく用件を聞き、5分近く経って、やっと校閲部に繋いでくれました。

記事を書いた人ではありませんでしたが、最終的には趣旨は分かったようで「大変勉強になりました」とのことでした(^_^;)。

校閲部でなければ、あっ、やったな、と“見逃す”ところですが、調査手段・能力のあるはずの校閲部なので、そのままにはできませんでした。

それにしても、職務に忠実だったのかもしれませんが、あの交換には好感がもてません。長年の読者を失いかねません。

(略)

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